新型コロナウイルスの影響により、技能実習を修了しても帰国することができない外国人が増えております。

そんな外国人については主に3つの選択肢があり①特定技能外国人として就労する②技能実習2号修了の場合は3号へ移行する➂特定活動に移行して就労するの3つが主な選択肢として挙げられます。

今回はそんな選択肢を紹介しながら、特定活動に移行して就労する場合にフォーカスして紹介をしていきます。

技能実習を就労しても帰国できない外国人が取る選択肢について

①特定技能外国人として就労する

技能実習が修了して後も技能実習を行っていた受け入れ企業やその他の企業にて特定技能の在留資格を取得して就労を継続する場合はこの選択肢となります。

受け入れ企業によっては、新たに入国してくる予定であった技能実習生や特定技能外国人の入国の目途が立たないが、仕事自体は増えてきたため、技能実習の修了者を特定技能外国人として雇用するケースが増えています。

②技能実習2号修了の場合は3号へ移行する

技能実習2号の修了者に関しては同じ職種・作業にて実習を行う場合には3号技能実習へ移行することができます。

特に注意が必要なのは、特定技能へ移行する場合の要件は”技能実習を2年10カ月以上修了していること”ですが技能実習3号へ移行するための要件は”技能実習2号の目標である専門級試験の実技試験に合格していること”になります。

➂特定活動に移行して就労する

特定活動に移行して就労する場合ですが、特定活動と一括りにしても、さまざまな方法があります。

考えられる選択肢としては主に①特定活動の在留資格にて、技能実習の受け入れ企業にて継続して就労する②特定活動の在留資格にて、技能実習の受け入れ企業とは別の企業にて就労する➂特定技能外国人として今後も継続して就労することを目指して、特定活動の在留資格にて就労するの3つが考えられます。

特定活動の主な3つの方法の内容について詳しく解説します。

①特定活動の在留資格にて、技能実習の受け入れ企業にて継続して就労する

こちらは一番多い特定活動での就労の方法と言えます。

基本的に外国人本人はコロナの影響が収まり、母国への帰国が可能となったらすぐに帰国することを希望しており、それまでの間、生活費などを工面するために技能実習を実施していた受け入れ企業にて継続して就労している場合がこれにあたります。

手続きも一番簡単であるため、すぐに帰国を希望している外国人に関してはこちらが一番良い選択肢であると言えます。

②特定活動の在留資格にて、技能実習の受け入れ企業とは別の企業にて就労する

こちらは技能実習を行っていた企業では十分な仕事量が無く、技能実習を修了した外国人が就労をすることができないため、他の企業にて就労をする場合がこれにあたります。

また、現在では技能実習で実習をしていた職種・作業と同じ職種・作業を特定活動の間も行う必要があるというルールは撤廃されて、同じカテゴリーの職種・作業であれば行うことができます。

例えば、新しい受け入れ企業では技能実習を行っていた職種・作業とは違うが同じカテゴリーの職種・作業(例 : ハム・ソーセージ・ベーコン製造→そう菜製造業)にて就労をする場合がこれにあたります。

➂特定技能外国人として今後も継続して就労することを目指して、特定活動の在留資格にて就労する

現在は雇用維持支援を目的とした特定活動があり、最大で12カ月の在留期間が与えられます。

既に紹介をした①と②で与えられる在留期間はそれぞれ6カ月なのを考えると倍の期間が与えられることになります。

こちらの特定活動を申請できる条件は、今後も特定技能外国人として日本にて継続して就労を継続することを希望しているが、技能実習を行っていた職種・作業だけで求職活動を行っても雇用先を見つけることができず、職種・作業の枠を広げた場合に雇用先の受け入れ企業を見つけることができ、特定活動となる外国人本人も今後はその企業にて特定技能の在留資格を取得して就労継続をするために、特定技能となるためにその分野の技能評価試験の合格を目指すこととなります。

“②特定活動の在留資格にて、技能実習の受け入れ企業とは別の企業にて就労する”の場合よりもさらに就業をすることができる範囲は広がり、カテゴリーの枠を超えて、例えば製造業→介護のような転職も可能となります。

この場合でも注意事項として特定技能の14分野のうち,製造業3分野(素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)にて特定活動としての再就職が認められる者は、当該3分野で活動していた特定技能外国人及び当該3分野へ技能実習2号良好修了者として試験免除で移行できる職種・作業の技能実習を行っていた技能実習生であって、その活動中に解雇された者や、帰国困難な修了者に限られるとされています。

その他の特定活動を使っての就労について

既に紹介をした特定活動にて就労を継続する3つのパターン以外にも、あまり知られていませんが、特定活動にて日本にて就労を継続する方法があります。

特定活動の中でも就労不可という許可を得た上で、資格外活動にて週に28時間以内の就労をするという方法です。

既に紹介した方法のどれにもあてはあらない外国人に関しては特定活動の就労不可という許可を得た上で、就労をせずに帰国できる日を待つことになります。

そんな特定活動の就労不可の許可を得た外国人でも資格外活動という制度を使えば、風俗業以外の仕事することができます。

資格外活動であれば、既に紹介したような職種・作業の縛りは全て撤廃され、風俗業以外であればどんな仕事にも従事することができます。

通常はこの資格外活動の制度を使って日本で就労しているのが留学生が多いです。

日本にいる外国人留学生は日本にて就労をすることは認められていませんが、今回のケースと同様に資格外活動の許可を得ることで就労をすることができます。

この場合でも週に28時間しか就労をすることはできず、コンビニエンスストアにて就労をしている外国人はこの資格外活動にてアルバイトをしているケースが多いです。

本来であれば留学生などが許可を得て使っている資格外活動ですが、今回のコロナ下では帰国困難な技能実習を修了した外国人も申請をするケースが増えており、就業時間に縛りがあるため、安定した就職をすることはできませんが、それでも生活費を工面できるぐらいは稼ぐことができるため、増えていると考えられます。

まとめ

今回は技能実習を修了したが帰国することができない外国人がどのような在留資格を得て在留をしているのかを特定活動の在留資格にフォーカスして紹介しました。

現在はコロナ下の中で、ニュースでも就職先がない元技能実習生がいることや、その困難な状況を逆手にとられてだまされる元技能実習生がいることなどが報道されています。

今回紹介をした特定活動の在留資格については、コロナ下という、今回の緊急事態下の中で特別に元技能実習生に対しても申請することが許可されてた在留資格であるため、コロナがある程度収束して、外国人の帰国が可能となった時点で申請することができなくなります。

そのような状況下で、特定活動の在留資格についても正しい知識をもっていないと、使いこなすことができず、特定活動で就労の機会が大幅に広がることを知らない方も多いため、今回を機に正しい知識を身につけて、少しでも帰国困難な外国人の手助けができるようになれば良いと思います。

この記事を書いた人

ヤマシタハヤト

ユアブライト株式会社 海外人材担当 主に特定技能に関する情報を発信しております。

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