特定技能・技能実習
登録支援機関とは?支援内容や登録支援機関の選び方を解説
「現在外国人雇用を行っている」「これから雇用を考えている」という企業の方は、「登録支援機関」という言葉を耳にすることも多いでしょう。この記事では、「登録支援機関」とはどのような機関で、何を行っているのかについて詳しくご紹介します。
登録支援機関とは?
そもそも、特定技能所属機関(特定技能外国人を雇用する企業)は、1号特定技能外国人を受け入れる際に、特定技能外国人の職場や日常生活における様々な支援が義務付けられています(入管難民法19条の22第1項)。支援内容は多岐に渡り、その一つである支援計画の作成やその実施には専門的な知識が必要になるなど、企業が支援を実施するのが困難なケースも少なくありません。
そこで企業から委託を受け、1号特定技能外国人への支援を代行するのが「登録支援機関」です。登録支援機関として出入国在留管理庁長官の登録を受けると、出入国在留管理庁ホームページに掲載されます。登録支援機関には業界団体、民間法人、行政書士、社労士といった団体や個人などが登録をしています。
登録支援機関の業務内容とは?
登録支援機関は、前述のとおり、特定技能所属機関(特定技能外国人を受け入れる企業)の代わりに特定技能外国人の支援を行います。
支援内容には、必ず行わなければいけない「義務的支援」と任意で行う「任意支援」があります。義務的支援には、次の10個が定められています。
①事前ガイダンス
②出入国する際の送迎
③住居確保や生活に必要な契約支援
④生活オリエンテーション
⑤公的手続等への同行
⑥日本語学習の機会の提供
⑦相談・苦情への対応
⑧日本人との交流促進
⑨転職支援(人員整理等の場合)
⑩定期的な面談・行政機関への通報
が挙げられます。
参考:在留資格「特定技能」について 出入国在留管理庁
ここからは、それぞれの支援内容について詳しくご紹介します。
① 事前ガイダンスの提供に関する義務的支援
特定技能外国人と雇用契約を締結後(在留資格認定証明書の交付申請または在留資格変更許可の申請前)に、以下の情報について説明を行います。
- 労働条件(業務内容・報酬の額など)
- 活動内容(日本で従事できる活動の内容)
- 入国手続(外国人登録証明書などの受け取りや入国手続きなど)
- 保証金徴収の有無(雇用契約に際しての保証金の受け取りや違約金の定め)
- 職場や日常生活における苦情相談の受入れ体制
- 支援責任者・支援担当者の連絡先等の提示 など
なお、事前ガイダンスは、特定技能外国人が理解できる内容でなければなりません。もし日本語への理解が不足している場合は、理解できる言語でガイダンスを行いましょう。
ガイダンスは対面やテレビ電話などで行う必要があります。また、事前ガイダンスは3時間程度行うことが必要と考えられており、1時間に満たない場合は、事前ガイダンスを適切に行ったとは評価されない可能性があります。
② 出入国する際の送迎に関する義務的支援
入国時に空港等と事業所または住居への送迎を行います。出国する際には、失踪を防ぐため、空港の保安検査場までの送迎・同行を行う必要があります。
なお、一時帰国をする場合は、出入国のための送迎は必要ありません。
③ 住居確保・生活に必要な契約支援に関する義務的支援
住居を確保するため、賃貸物件の契約時に連帯保証人になったり、社宅を提供したりします。
また、生活に必要な支援として、銀行口座等の開設、携帯電話、電気・水道・ガスなどのライフラインの契約の案内や各契約の補助を行う必要があります。
④ 生活オリエンテーションの実施に関する義務的支援
日本での生活を円滑に営めるように、日本におけるルールやマナー、公共機関の利用方法、緊急時の対応などを説明する必要があります。
生活オリエンテーションは特定技能外国人が理解できる内容でなければなりません。日本語への理解が不足している場合は、理解できる言語でガイダンスを行いましょう。
なお、実施方法は、テレビ電話やDVD等の動画視聴によるものでも良いとされています。特定技能外国人から質問があった場合に適切に答えられるようにしておく必要があります。
また、生活オリエンテーションの実施後は、「生活オリエンテーションの確認書」に特定技能外国人のサインをもらう必要があります。
⑤ 公的手続等への同行に関する義務的支援
居住している地域での公的手続きを受ける際に、手続きに同行したり、書類作成の補助を行ったりします。
⑥ 日本語学習の機会の提供に関する義務的支援
日本語教室への入学案内情報や、日本語学習教材などに関する情報を継続的に提供する必要があります。
なお、入学や利用手続きの補助や、日本語教師の選定など、各種支援を行うにあたって必要な費用は、特定技能所属機関等が負担します。
⑦ 相談・苦情への対応に関する義務的支援
職場や生活上の相談や苦情への対応などについて、外国人が十分理解することができる言語で行い、内容に応じた助言・指導をします。
特定技能外国人の勤務形態に合わせて、1週間当たり勤務日に3日以上、休日に1日以上対応し、相談しやすい就業時間外(夜間)などにも対応できることが求められます。
⑧ 日本人との交流促進に関する義務的支援
自治会や地域住民との交流の場、地域のお祭りなどの行事の案内を行い、日本の文化や風習に触れ合う機会を作るため、参加する際の補助を行うことが義務付けられています。
⑨ 転職支援(人員整理等の場合)に関する義務的支援
受け入れ側の企業が、企業側の都合などによる人員整理等を行なうことになり雇用契約を解除した場合に、転職先探し、推薦状の作成、求職活動を行うための有給休暇の付与や失業給付の受け方など、必要な行政手続きに関する情報提供を行います。
⑩ 定期的な面談・行政機関への通報に関する義務的支援
支援の責任者は3ヶ月に1回以上、外国人とその上司と面談を行います。また、労働基準法や入管難民法違反等があった場合は通報を行います。
面談は、特定技能外国人が理解できる内容でなければなりません。日本語への理解が不足している場合は、理解できる言語で実施しなくてはなりません。
また、面談を行った際には、「1号特定技能外国人用及び監督者用の定期面談報告書」を作成する必要があります。
登録支援機関を選ぶポイントは?
登録支援機関を選ぶ際に大切なポイントは次の通りです。
・「登録支援機関」として支援業務を行っていること
登録支援機関は多数ありますが、登録はしていても、実際には支援業務を行っていない機関も少なくありません。
支援業務の実績があるかどうか、確認しておきましょう。
・対応可能な言語
どの国の外国人を受け入れるかが明確に決まっている場合は、その言語に対応している機関を選ぶとよいでしょう。なお、現在特定技能で在留している外国人人材の6割をベトナム人が占めています。
また、実際に支援担当者となる外国人スタッフが在籍しているかどうかもポイントです。
・管理費用は妥当な料金か
委託にかかる月額費用(管理費)はとても重要なポイントです。
ブローカーを介している場合などは、高めの料金が設定されているかもしれません。
事業の拡大なども含め、今後の増員などを見越した適正な価格での契約が必要です。
・登録支援機関の所在地
外国人の勤務場所と登録支援機関の所在地があまりにもかけ離れている場合、急な対応が不可能になるなどの不具合が生じる可能性があります。
出来る限りすぐに対応できる所在地にある登録支援機関を探しましょう。
・支援責任者・支援担当者の確認
登録支援機関は基本的に24時間体制でのサポートが求められます。
支援責任者や支援担当者がどのような勤務形態でサポートできるのか等の確認は事前にしておいた方が良いでしょう。
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